院長あいさつ
人生を取り戻す入れ歯治療を、
この地域で
私は「最期まで噛める口を守ること」を使命に、この地域で歯科医療に携わっています。西播磨で唯一の補綴(ほてつ)専門医として、とりわけ入れ歯治療に力を注ぎ、食べる喜びや会話の楽しさを取り戻していただくことを大切にしてきました。
入れ歯は、歯を失ったときの単なる代用品ではありません。 食事を楽しみ、人と自然に会話し、自分らしく日常を送るための、大切な道具です。「噛める」という当たり前の行為は、身体だけでなく、気持ちや生活の質にも深く関わっています。
日本補綴歯科学会 専門医 長谷英明 Hideaki Hase
祖父母との時間で学んだこと
私の原点には、祖父母との時間があります。幼い頃はいわゆるおじいちゃん子・おばあちゃん子として育ちました。祖父も祖母も入れ歯を使っており、入れ歯の存在を自然と感じていました。
祖母が以前に使っていた入れ歯を作ったのは初代院長の父で、二つ目の入れ歯は、二代目院長の私が担当しました。99歳で亡くなる直前まで、その入れ歯でごはんをしっかり食べてくれた姿を見たとき、「この仕事を選んでよかった」と心から思いました。親子二代にわたって、同じ祖母の入れ歯を作れたことは、歯科医師として今も忘れられない体験です。
教えることへの関心と、
補綴(入れ歯)という選択
実は、強い志があって歯科医師を目指したわけではありません。
父が歯科医師であったことから、進路について話をする中で歯科の道を選び、福岡歯科大学へ進学しました。学びを重ねるうちに、臨床や研究の奥深さに触れ、そのまま大学院へ進み、大学病院で臨床・教育・研究に携わるようになりました。
もともと私は「何かを教えること」が好きで、人にわかりやすく伝えたり、理解してもらうことにやりがいを感じていました。自分自身が勉強に苦労してきたからこそ、分からない側の気持ちが分かる。大学病院時代は、成績が伸び悩む学生と関わることが多く、どうすれば伝わるかを考えながら、工夫して丁寧に説明してきました。
補綴(入れ歯)を専門に選んだ理由は、苦手な分野こそ深く学ぼうと考えたことと、時間をかけてとことん向き合える治療であることでした。今振り返ると、幼い頃から祖父母が生活の中で入れ歯を使っている姿を身近に見てきたことも、自然とこの分野に惹かれた理由の一つだったのかもしれません。
一方で、入れ歯は天然の歯と同じように噛めるわけではなく、限界もあります。その厳しさを理解しているからこそ、歯を失わないための予防が特に大事だと確信しております。
大学病院から地元たつの市に戻って
気づいた現実
大学病院では臨床と教育の道を志していましたが、父が70歳を迎えた頃、実家の歯科医院を「継ぐなら今だ」と決断し、福岡から地元であるたつの市新宮町へ戻りました。
地域での歯科医療の現場に立って初めて、このたつの市には歯科医院が少ないこと、そして入れ歯治療を必要とする方が想像以上に多いことを知りました。同時に、補綴を専門に学んできたことには確かな意味があったのだと実感し、この地域で自分が果たすべき役割を強く意識するようになりました。
「ドクター」という言葉の語源は
「教える人」
「ドクター」という言葉の語源は、「教える人」です。地域のすべての方を診療室で診られるわけではありません。だからこそ、小学校や中学校に出向き、歯の大切さや、なぜ虫歯や歯周病になるのか、放置するとどうなるのか、といったテーマを講演や講義等で伝える活動を続けています。
入れ歯で困っている方を助けたい。そして、将来入れ歯が必要になる方を一人でも減らしたい。その想いが、診療室の外へ向かう原動力になっています。この考え方は、患者さんと向き合う場面でも大きな軸になっています。
説明と納得を大切にする理由
大学病院時代に、他院で受けた治療への不満を抱えた方が、私の在籍していた大学病院を受診されたことがありました。治療そのものよりも、「十分な説明を受けていないこと」への不安や怒りが強く、厳しい言葉を投げかけられました。
時間をかけて話を聞き、疑問や不安に一つずつ向き合っていくと、表情は次第に和らぎ、「こんなに話を聞いてもらったのは初めてです」と涙を流されたことがあります。この経験から、治療は技術だけでは成り立たず、理解と納得があって初めて前に進むものだと学びました。
「その方に合う治療かどうか」を大切にしています
当院では、保険診療を基本としながら、必要に応じて自費治療もご提案しています。どちらが優れているかではなく、「その方の今後の人生や価値観に合っているかどうか」を何より大切にしています。
また私は、専門的な治療ほど、専門家に任せたほうが良い結果につながると考えています。
いわゆる「餅は餅屋」です。無理に一人ですべてを抱え込まず、より適した知識や技術が必要な場合は、専門医と連携する。その一方で、入れ歯で困っている方については、補綴を専門とする立場として責任をもって向き合う。そうした役割分担こそが、患者さんにとって最善の医療につながり、結果として「噛める」という日常そのものを守ることにつながります。
「噛める」を支えることは、人生を支えること
食事を楽しめること。人と安心して会話ができること。外出や人付き合いを前向きに楽しめること。その一つひとつを支えるために、これからも専門性を磨き、誠実に向き合い続けていきます。
人生を支える歯科医療を、このたつの市で。
経歴
- 福岡歯科大学 歯学部歯学科 卒業
- 福岡歯科大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程(有床義歯学)修了
- 〜2018 福岡歯科大学 咬合修復学講座 有床義歯学分野 助教
資格
- 日本補綴歯科学会 専門医
- 日本老年歯科医学会 認定医
- 日本歯科大学 生命歯学部 歯科理工学講座 非常勤講師
- ハイライフデンチャーアカデミー認定フェロー
- 日本スポーツ協会認定 カーリングコーチ1
- 日本カーリング協会 公認審判員
- 歯科医師臨床研修指導歯科医師
大切なのは“あなたに合うかどうか”です
当院では「保険診療を基本としながら、必要に応じて自費治療も提案する」スタンスを大切にしています。保険の入れ歯でも多くのお悩みは解決できますが、「もっと快適に噛みたい」「見た目も自然にしたい」といった希望には、自費治療だからこそ応えられる場合があります。どちらが正しいということではなく、患者さんにとって最適な方法を一緒に考え、納得して選んでいただくことを大切にしています。
「噛める」を支えることは、人生を支えること。
地元であるたつの市新宮町は、全国的にも有数の歯科が不足している地域になっています。
入れ歯は、歯を失ったときの「代用品」ではありません。食べる・話す・笑うといった日常を支える大切な道具であり、人生を豊かにするためのパートナーです。「噛める」ということは、身体の健康だけでなく心の健康にも直結します。
食卓で笑顔になれること、人と安心して会話ができること——その一つひとつが生活の質を高め、人生をより豊かにしてくれます。私は、その当たり前の日常を取り戻すために、この地域で治療を続けています。これからも誠実に、そして丁寧に、一人ひとりと向き合ってまいります。